「行政書士さん、私は外国人です。日本の補助金、もらえませんよね?」
大阪・ミナミで飲食店を営むベトナム出身のオーナーから、こんな相談を受けました。 彼は、古いオーブンを買い替えたいのに、資金不足で悩んでいました。
結論から言います。 外国人であっても、個人事業主であっても、補助金はもらえます。
実は、国のルールブック(公募要領)には「日本国籍でなければならない」とは一言も書かれていません。ある「条件」さえ満たしていれば、あなたには日本人と同じように、最大250万円の支援を受ける権利があります。
今回は、実際に当事務所がサポートし、見事に採択を勝ち取った外国人個人事業主様の事例を元に、言葉の壁を越えて「勝つための申請戦略」を公開します。
① 公募要領が定める「たった一つの条件」
まず、証拠をお見せしましょう。最新の公募要領(第19回)には、補助対象者についてこう書かれています。
日本国内に所在する小規模事業者(日本国内に居住する個人、又は日本国内に本店を有する法人)等であること
見てください。「日本国民」ではなく「日本国内に居住する個人」と書かれています。 つまり、適法な在留資格(ビザ)を持ち、日本に住んでビジネスをしているあなたなら、国籍に関係なく対象になるのです。
※ただし、医師・歯科医師や、農作物の生産のみを行う農家などは対象外です 。これは日本人も同じです。
② 【事例】大阪・バインミー店主グエンさんの逆転劇
では、具体的な成功事例を見てみましょう。
- 申請者: グエンさん(ベトナム国籍 / 「日本人の配偶者等」ビザ / 開業2年目の個人事業主)
- 課題: テイクアウト需要が増えたが、家庭用のオーブンしかなく、注文をさばききれない。
- 希望: 業務用オーブンの購入(約70万円)と、集客用の日本語チラシ作成。
- 心理的ハードル: 「日本語の計画書が書けない」「役所が怖い」。
【行政書士の戦略的サポート】 私たちは、彼の「外国人であること」を弱みではなく、圧倒的な「強み」として計画書に描きました。
- 本場の味(差別化): 「日本人には再現できない本場の味」こそが最大の付加価値であると強調。
- インバウンド対応(市場適合): 2025年大阪・関西万博を見据え、英語・ベトナム語・日本語の3ヶ国語メニューを作成できる強みをアピール。
- 数値の根拠: 業務用オーブン導入で「1時間あたりの焼き上げ数が3倍」になり、「売上が〇〇万円アップする」という明確な計算式を提示。
【結果】 見事採択。厨房機器費と広報費として50万円の補助金(補助率2/3)を受給 。 新しいオーブンで回転率が上がり、ランチタイムの行列を逃さず利益に変えることができました。
③ 申請に必要な「3つの神器」
外国人個人事業主の方が申請する際、絶対に揃えなければならない書類があります。これらがないと、どんなに良いビジネスでも門前払いです。
- 確定申告書(Kakutei Shinkoku)の控え
- 直近の「第一表」「第二表」および「収支内訳書(または青色申告決算書)」が必要です 。
- 注意: 「税金を払っていない(未申告)」場合、申請資格はありません。
- 開業したばかりの方: まだ決算を迎えていない場合は、「開業届(Kaigyo-todoke)」の写しが必要です 。
- GビズIDプライム(G-Biz ID Prime)
- 申請は全て電子申請です。マイナンバーカードとスマホを使って、必ずご自身でIDを取得してください 。
- ※名前にミドルネームがある場合など、入力ミスでエラーになりやすいので注意が必要です。
- 日本語の経営計画書
- ここが最大の難関ですが、私たちがサポートするのはまさにここです。あなたの母国語やたどたどしい日本語で語られた「熱い想い」を、審査員が好む「採択される日本語」へと翻訳します。
④ 「言葉の壁」を言い訳にするのは、もう終わりにしませんか?
行動経済学には「現状維持バイアス」という言葉があります。「手続きが面倒だ」「どうせ無理だ」と言い訳をして、今のままでいようとする心理です。
しかし、あなたのライバルである日本人の経営者たちは、この制度を使って新しい機械を導入し、綺麗な看板を出しています。 あなたが何もしなければ、競争力は相対的に下がっていきます(損失)。
外国人であるあなたは、日本でビジネスをするだけですでに大きなリスクに挑戦しているはずです。その勇気があるなら、補助金申請という「次の挑戦」も必ず乗り越えられます。
5. まとめ・CTA
「日本国内に居住する個人」であれば、補助金の扉は開かれています 。 外国人だからといって遠慮する必要は1ミリもありません。正しく税金を払っているなら、堂々と国の支援を受け取ってください。
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